聖藩文庫
聖藩文庫とは
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加賀市立図書館の特別コレクションの一つに、聖藩文庫があります。
聖藩とは大聖寺藩(だいしょうじはん)の略で、大聖寺藩の遺産たる書籍という意味で、聖藩文庫と名づけられました。
ただし、この文庫の主幹をなすのは時習館(じしゅうかん)、董正館(とうせいかん)、操練所等、藩学校の旧蔵書であり、藩主前田家の私有にかかるものや、藩政の文書記録のたぐいは含まれていません。また、大聖寺町の学校、図書館の旧蔵書がこれに併せられたため、廃藩後の出版物も多く、わずかながら大正期、昭和初期のものまで混じっています。つまり、加賀市立図書館が引き継いだ書物の内の、和装本をもってこの文庫が成り立っています。
聖藩文庫の蔵書構成からは、大聖寺藩ないし大聖寺町の、学問教育に対する関心の方向をうかがい知ることができます。また、文庫の一冊一冊にとどめられた蔵書印や識語によって、大聖寺藩及び大聖寺町における教学の沿革を検証することができます。
国書1,165点の内、歴史地理部門が580点で、全体の半ばを占め、その内の310点が日本の雑史、多くは軍記類です。文学部門の141点が歴史部門に次ぎますが、その半数の70 点が漢詩文です。社会科学部門が133点、これには西洋兵書33点を含みます。その他の部門は100点に満たず、工学技術部門、産業部門にいたっては、それぞれ10点、4点にすぎません。
漢籍準漢籍は総数465点。内訳は経部207点、子部117点、史部75 点、集部60点の順です。しかも、経部のうちの過半、116点を四書類で占めています。
このような蔵書構成は、藩学校の教科課程におおむね対応しています。洋学書がさほど多くないのは、洋学教育の時日の浅さによりますが、漢籍中心で実学軽視の傾向からは、当時の武家の教育内容が窺い知ることができます。
閲覧をご希望の方
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調査・研究目的で閲覧をご希望の方は、事前に閲覧申請と許可が必要です。
詳しくは図書館までお問い合わせください。
- 問い合わせ先:加賀市立中央図書館
- TEL:(0761)73-0888 FAX:(0761)72-5025
聖藩文庫デジタル化資料の公開
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国文学研究資料館の委託を受け、デジタル化した聖藩文庫を国書データベースにて公開しています。
閲覧方法
- 国書データベースへ移動
URL:https://kokusho.nijl.ac.jp/(外部サイトへ移動します)
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- 石川 KAGA/0276
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